「西行法師に捧ぐ 旅疲れを癒すほうじ茶」について

西行トップ画像 商品

2023年10月に「吉田茂に飲んでもらいたいミルクティブレンド」という商品を作り、ありがたいことに大磯町内のいくつかのお店で販売いただいています。

今回2023年12月より「西行法師に捧ぐ 旅疲れを癒すほうじ茶」という商品を新たに販売することにしました。

西行法師について

西行法師(1118年~1190年)は平安時代末期から鎌倉時代を生きた僧であり、歌人です。

元々は鳥羽上皇に使える北面の武士であり、俗名は佐藤義清(さとうのりきよ)と言います。
平清盛は北面の武士の同僚であったそうです。

23歳で家族を捨て出家した後、全国を行脚し2300首もの歌を詠みました。
※西行が出家した理由は諸説あり

「願はくは花の下にて春死なん そのきさらぎの望月のころ」

最晩年は河内国(現在の大阪府)弘川寺に庵居し、1190年75歳の生涯を閉じます。

武士であった頃は弓の名手と名高く、源頼朝に弓馬の話を細かく尋ねられたことがあるという記録が「吾妻鏡」には残っています。

鎌倉鶴岡八幡宮で今も行われている流鏑馬神事は西行が源頼朝に弓馬について語った丁度1年後の1187年の放生会で奉納されたのが起源だと伝えられています。

その起源について「鎌倉観光公式ガイド」では、以下のように書かれています。

『吾妻鏡』のくだりでは、平家に勝利した源頼朝は、源氏の氏神である八幡宮の神前にかねてから関心の深かった流鏑馬を奉納するため、その故事をいろいろと調べ、もとは宮廷武士で弓馬の達人でもあった歌人・西行法師にも流鏑馬神事について尋ねています。

こうして頼朝が文治3年(1187年)8月15日に鶴岡八幡宮の放生会に奉納した流鏑馬が鎌倉の流鏑馬神事の始まりです。

▼引用:鎌倉観光公式ガイド

出家したというのに武士のトップである源頼朝に弓の話を聞かれるというのは西行が武士として大変優秀であったことを物語っています。

大磯町鴫立庵と西行

鴫立庵

現在の鴫立庵があった辺りに立ち寄った際「心なき身にもあはれは知られけり鴫立つ沢の秋の夕暮れ」という和歌を詠んだ言い伝えに基づき、江戸時代に入ってから西行を慕う者たちによって鴫立庵が形作られていきます。

江戸時代(1664年)に崇雪(そうせつ)という人物がその西行の歌にちなみ、この地に草庵を建てたことから始まります。
※「湘南」という言葉の発祥もこの崇雪に関係しています。

のちに鴫立庵の初代庵主となった大淀三千風(おおよどみちかぜ、1639年‐1707年)は「円位堂」(円位は西行の僧名)を造り、鉈づくりの西行座像を安置しました。
こちらは現在でも見ることができます。

また、毎年3月には西行祭が行われ、献詠俳句や短歌の募集なども行われています。
詳しくは鴫立庵のHPをご覧ください。

また、他にも西行法師と銀猫の話に基づいた碑なども鴫立庵にございます。
是非拝観の際にご覧ください。

 

円位堂 西行

 

西行法師は茶を飲んでいたか?

西行さん

今回「西行法師に捧ぐ 旅疲れを癒すほうじ茶」を出させていただくために当時のお茶について少し調べてみました。

平安末期から鎌倉時代初期、西行はお茶を飲んでいたのでしょうか。

西行法師が亡くなった数十年後、宋から戻った栄西禅師が源実朝に「茶」と「喫茶養生記」を献上したとされています。(1200年代に入ってから?)

西暦800年代には唐に渡っていた永忠や最澄らによってすでに茶は中国から日本に渡ってきているものとされていますが、どういったルートでどのように伝播していったのか等の一次資料はなく、研究者による調査が進められています。

まず栄西自身は、『喫茶養生記』上巻「六 茶調様」において、「我が国の人は、茶を摘む方法を知らない、だからこれを用いない」と書いている。つまり、栄西の知る限りでは、日本には茶の木はあるが、茶を一般には利用していない、飲用していなかったことになる。
 また、建保二年(1214)二月、栄西は、鎌倉将軍家加持のため大倉御所に参上していたが、将軍源実朝が二日酔いとの話を聞き、住持をつとめる寿福寺から茶一盞と『喫茶養生記』一巻を取り寄せ、それを実朝に献上したところ大変に喜ばれたとある。この話を見るかぎり、茶については、鎌倉の将軍さえもよく知らなかったということになる。ましてや庶民はその存在を知る由もなかったことだろう。
 このように鎌倉時代前期には、茶はいまだ一般には広まっていなかったのである。
▼引用:日本茶の歴史 橋本素子著 淡交社

西行と同時代に生き、茶祖と呼ばれる栄西が現れた頃はまだ茶は一般的ではなかったのでしょう。

たとえ鳥羽上皇に仕えた才ある武士であったとしても、残念ながら西行法師が茶を日常的に飲んでいた可能性はないと思われます。

そのため、今回販売しました「西行法師に捧ぐ 旅疲れを癒すほうじ茶」はあくまでも私(ニルマーネル店主)が”もし西行法師と旅の途中で出会ったら”というコンセプトです。

私がもし旅の途中の西行法師に出会ったら…、真っ先に温かいほうじ茶をお出しするだろうと想像しました。

長旅で空腹かも知れません。
きっととてもお疲れでしょう。

まずは香りよく、心も体も温まるほうじ茶を。
あればお菓子も少しつけましょう。

感謝の言葉を述べ、笠と杖を置き、温かい湯飲みで両手を温めながら縁側に腰掛ける西行法師。

ほっとひと息、旅の疲れが癒えますように。

お勧めの淹れ方

西行ほうじ茶パッケージ

ティーバッグが3個入っております。

マグカップを温め、ティーバッグ1個を入れ、180㏄程度の熱湯を注ぎ1分お待ちください。

もう少し長めに抽出すると味わいがしっかりします。
濃い味がお好みの方は2分~3分程度抽出してください。

こちらは鴫立庵にて販売をしております。
また、大磯町内の他のお店でもお取り扱いいただいております。

大磯町のお土産としてお使いいただければ幸いです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました